管理組合における大規模修繕工事の『失敗の特徴』
- 1. 人間関係にカドが立ちやすい
- 理事、修繕委員の間での揉め事に発展してお互い気まずい生活になる
- 2. 挽回できない
- 同規模の工事を再度発注できる金銭的余裕がない
- 再度のスケジュール構築する期間がない
- 再度検討する組織メンバーの構成ができない
- 3. 表沙汰になりにくい
- 資産価値低減を気にして裁判や係争を敬遠する風潮がある
- 理事の任期交替により問題が風化する
- やがてあきらめる
- 4. そもそも気がつかない場合もある
- 工事品質について知識がない為、失敗品と気がつかない
- 同様の工事が10数年後の為、高所や隠ぺい部に手抜きが あっても普段目にしない
- 5. 次も同様になりやすい
- 構成される組織や人員が同様なので、取組みのどこに問題があったのか正確に把握できていない為、同様になりやすい
- 何かある度に「揉めるマンション」として有名になっていく
大規模修繕工事検討のフローと失敗発生のタイミング
- 管理組合の組織の構成:修繕委員会等の設置
- なり手がいない、専門知識不足、利害関係者が立候補
- パートナーの選定:設計・監理方式によるコンサルタントの選定採用
- コンサルタントの選定の仕方がわからない:価格、実績、イメージ
- 調査診断による現状把握
- 現状把握不足、不具合原因の追跡不足、居住者意見の公聴不足
- 設計検討、設計図書の作成
- 設計図書内容の把握不足による工事内容の誤解
- 施工会社の選定:公募、見積合わせ、プレゼンテーション
- 工事内容やマンション規模に合致しない施工者の選定
- 総会開催:大規模修繕工事に関わる承認
- 終始、工事内容説明に終始する議案説明
- 工事説明会開催:居住者に対する説明
- 工事範囲を緻密に伝えられない居住者に対する説明会
- 工事着工:契約書
- 契約書内容の把握不足
- 工事進捗の報告会議と問題点の協議
- 発生する問題をすべて施工会社にて解決を押しつける
- 工事竣工:引き渡し
- 引き渡し書類の内容確認不足、保存保管体制の継続性
- 瑕疵対応:アフターサービス点検
- 理事交替によるアフターサービス点検の煩雑さ